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購入検討編

安心して長く住めるマンションの最重要ポイントは「立地・周辺環境」と「構造」。マンションを選ぶ際には、「不動産的視点」と「建築的視点」の2つの視点を分けて考え、それぞれを厳しい視点で選定することが大切です!

不動産的視点とは?

「不動産的視点」とは、周辺環境・立地条件の資産価値のことです。

マンションは不動産です。不動産の資産価値は、どんな立地環境の中に存在しているかで決まります。さらに、その環境は将来どのように変わっていくかによって、その価値が大きく変化します。マイホームは、「そこに住む権利を買う」こと。言い換えれば、「立地・環境を買う」ことになるのです。
ポイント★土地や環境は「今」だけでなく「将来」どうなるかまで予測して判断しよう!

「不動産的視点」から考えると、立地・環境のこだわりポイントは3つ

1. 周辺環境
2. 用途地域
3. 建ぺい率・容積率

<こだわりポイントその1>「周辺環境」

快適な住まいには、まわりにある施設や店舗、最寄り駅までの距離といった「立地」や、自然が多い、高い建物や工場がないなどの「環境」が非常に重要です。こういった「周辺環境」は、「今」はもちろん「将来」に環境が悪化する危険性がないかどうかを予測することが必要です。お目当てのマンションが決まったら、現状の周辺環境を確認するのはもちろん、平日と休日の朝・昼・晩に現地を必ず訪れて、日常環境の変化を確認しましょう。

<こだわりポイントその2>「用途地域」

用途地域とは「都市計画法」に基づく土地利用計画の一種で、土地の用途に応じた制限を加えて、建築できる建築物を定めたもの。用途地域は12の種別に区分けされており、「住居系」と「商業系・工業系」に大別されます。法規上、周辺環境に大きな影響をおよぼす高さ制限や、建築可能な建物の種類などが定められています。

【住居系】用途地域の種類と建てられる建物例

用途の種類対象地域と建てられる建物例
第1種低層住居専用地域低層住宅の専用地域。住居、保育所・診療所などの施設以外は建築不可。
第2種低層住居専用地域小規模店舗の立地を認める低層住宅の専用地域。
第1種中高層住居専用地域中高層住宅の専用地域。店舗のほか学校や病院、車庫なども建築可能。
第2種中高層住居専用地域必要な利便施設の立地を認める中高層住宅の専用地域。店舗のほか、事務所なども建築可能。
第1種住居地域大規模店舗、事務所の立地を制限する住宅地のための地域。ボーリング場やゴルフ練習場、ホテル、工場なども条件の範囲内なら建築可能。
第2種住居地域住宅地のための地域。マージャン・パチンコ店、カラオケボックスなども建築可能。
準住居地域自動車関連施設などと住宅が調和して立地する地域。倉庫や自動車修理工場なども建築可能。

【商業系】用途地域の種類と建てられる建物例

用途の種類対象地域と建てられる建物例
近隣商業地域近隣住宅地の住民のための店舗、事務所などの利便の増進を図る地域。劇場・映画館なども建築可能。
商業地域店舗、事務所などの利便の増進を図る地域。作業場面積50平方メートル超、および危険性のある業種の工場以外は建築可能。

【工業系】用途地域の種類と建てられる建物例

用途の種類対象地域と建てられる建物例
準工業地域環境の悪化をもたらす恐れのない工業の利便の増進を図る地域。
工業地域工業の利便の増進を図る地域。学校や小規模店舗、映画館、ホテル、風俗店などは建築不可。
工業専用地域工場の利便の増進を図るための専用地域。工場や自動車車庫、カラオケボックスなど以外は建築不可。

<こだわりポイントその3>「建ぺい率・容積率」

「建ぺい率」とは、敷地面積に対して建てられる建築面積のこと。「容積率」とは、建物の各階床面積の合計(延べ面積)の敷地に対する割合のことをいいます。建ぺい率が大きいほど敷地いっぱいに建物を建てることができ、容積率が大きいほどボリュームの大きな建物が建築可能になります。敷地の建ぺい率、容積率に対して、実際に計画されている建ぺい率、容積率数値が低い、平たく言えば「余り」があるようであれば、将来建て替えるときに、居室数を増やすことで既居住者の建築費が軽減される可能性があり、ひとつのメリットになると考えられます。

立地・環境はライフスタイルと照らし合わせて考えよう!

ライフスタイルによって、マンションの立地・環境の選び方は変わってきます。立地・環境を選ぶポイントは大きく2つ。スーパーが近いなどといった「利便性」と、自然環境や嫌悪施設の有無などによる「快適性」に絞られます。また、環境にはプラスの面があれば必ずマイナスの要素を含んでいます。厳しい目で判断するために、環境からプラスとマイナスの要素を連想し、自分なりの優先順位をつけて検証してみましょう。

建築的視点とは?

「建築的視点」とは、構造、設備など建物の性能に関する資産価値のことです。

建物そのものの資産価値を決定するのは、構造等の基本性能の良し悪しであるという視点です。構造躯体の耐久性や耐震性能などが該当します。

ポイント★建物の安全性を左右する「構造」。良し悪しを見極めよう!

構造品質の良し悪しは「工期」がひとつの目安!

構造の良し悪しを判断するには、建築の専門知識が必要なうえ、構造躯体の施工状況は購入者では確認することができませんが、シロウトでも目安にできる方法があります。

ひとつは建築のスケジュール、つまり「工期」を確認すること。マンションは地下などの特殊な要件がない場合、階数プラス3ヶ月が標準工期とされています。「着工日」「竣工日」を確認し、工期が標準程度なら安心材料になります。工期が不自然に長かったり延期しているようであれば建築途中でトラブルがあって遅れた可能性も考えられます。理由を確認したいところです。逆に極端に短い場合は、急いで工事をしたことによるヒューマンエラーが発生している可能性もあり、スケルトンに問題があるかもしれません。「工期」は、構造品質の良し悪しを判断するひとつの目安となるわけです。

品確法による性能評価もひとつの目安です!

マンションの基本性能、構造を判断するために、「品確法」を利用するという方法もあります。品確法とは、「住宅の品質確保の促進に関する法律」のことで、以下の3つの柱で構成されています。

1. 住宅性能表示制度
2. 瑕疵担保責任の規定
3. 住宅の紛争処理体制の整備

住宅性能表示制度とは、住宅の性能を比較するための基準を設定し、その住宅がもつ性能を数値化したもの。評価には、設計図書の段階で行う「設計住宅性能評価」と建築段階と完成段階の検査を経た「建築住宅性能評価」の2種類があります。設計性能評価は、各項目について基準となる数値を設定し、その数値により等級を決めるため、客観的に比較することができます。「建築性能評価」は、設計性能評価で決められた内容が実際に現場で施工されているかどうかを確認するもの。あくまで、設計性能評価との相違がないことを主眼においているため、「建築性能評価」があるから欠陥はないということではありません。あくまで目安として考えましょう。

まとめ★これが失敗させないマンション選び5つの条件だ!

【不動産的視点】

・立地や環境が我が家の現在と将来のライフスタイルに合っている
・建ぺい率・容積率はできれば余裕があること

【建築的視点】

・基本性能が高い
・スケルトンが優秀である
・工期は階数プラス3ヶ月の標準から大幅にずれていないこと


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