構造・躯体編!
基礎が完成したら、その上に土台を乗せます。土台とは、建物全体の重さを支える横材のこと。基礎と土台は地震や風圧による圧縮や引っ張りの力に耐えるために、アンカーボルトで緊結させます。土台の施工が終わったらアンカーボルトが適切に設置されているか確認してください。
アンカーボルトは正しく設置されているか?
アンカーボルトが材の中心に設置されているか、継手部分に重なったり下側になったりしていないか、設置位置にも注意。
火打ち土台は正しく設置されているか?
在来工法の場合、土台のコーナー部分に入れる「火打ち土台」も重要。土台の水平のねじれを防ぐ役割を果たします。正しく設置されているかを確認しましょう。
基礎と土台の取り合い部分にズレはないか、すき間はないか
チェック項目は次の4つ。
1. 土台が基礎からはみだしていないか
2. 基礎と土台の間にすき間はないか(床下換気法として基礎パッキンを採用している場合は除く)
3. 基礎と土台の間に防湿シートが敷設してあるか(2同様、基礎パッキンを採用している場合は除く)
4. 床下換気口や床下人通口の上に継手や柱がないか(柱にかかる荷重で土台が変形、破損するおそれがある)
柱や梁、筋交いなどの「軸組」によって建物を支える「木造軸組工法」では、建物は建物自体の重さや風圧、地震などに耐えるだけの「耐力」が必要。その耐力を備えるために、建築基準法では、柱に対しては太さ、壁に対しては量や構造について規定しています。軸組が適切に施工されているかチェックしていきましょう。
柱にあるホールダウン金物に偏芯はないか?
耐力壁を構成する柱にホールダウン金物を設置すると、耐力壁金物との取り合いにより偏芯し、引き抜き耐力が減少してしまいます。これは広義の瑕疵に該当しますので、注意して見てください。
耐力壁は図面どおりに設置されているか?横架材に継手はないか?
耐震強度を高める上で必要不可欠な耐力壁。「筋交い」と呼ばれる斜め材や、壁耐力を確保するために必要な合板が図面どおりに設置してあるか、急勾配な筋交いがないか、確認してください。また、筋交いのある部分の横架材に継手がないかどうかも重要なチェックポイントです。
筋交いは金物で接合されているか?
筋交いの端部は横架材や柱に接合するのですが、地震などの外圧が建物に加わったときに、釘だけでは簡単にはずれてしまうので、告示(第1460号)により接合金物(筋交いプレート)を使用するよう規定されています。細かいところまでチェックしましょう。
「壁工法」の一つである「2×4工法」は、耐力を面で確保するのが特徴。2×4インチの木材を枠で組み、そこに構造用合板を打ち付けて壁を組み立てていくのが基本ですので釘に頼った工法と言えます。釘の種類は基本的に4種類。釘の径と長さで、CN50(緑)、CN65(黄)、CN75(青)、CN90(赤)に区分されています。施工する部位ごとに釘の種類と最低本数が規定されていますので、それを遵守していることが重要です。
合板の継ぎ目の釘のピッチは10cm以内か
外壁外側の合板が張られた段階(上棟段階)で、耐力壁の合板外周部の釘と釘の間隔が10cm以内かどうか必ず確認しましょう。それと同時に、
1. 釘の種類は規定どおりCN50か?
2. 釘の頭がめりこみすぎていないか?(2mmのめり込みが限界)
金物設置状況も要チェック。片方の釘は打ってはいけない
釘とともに重要な役割を果たすのが金物。金物の位置や使用する種類について記載した図面をもとに確認してください。
室内側の耐力壁も忘れずにチェック!
2×4工法の場合は、その特性から特に室内側の耐力壁に注意が必要。室内側耐力壁も外部同様、石膏ボードの外周部は10cm以内ごとに打つ必要があります。認定ビスかどうかも確認してください。
「軽量鉄骨造」の建物は、プレハブのハウスメーカーであることがほとんど。プレハブという名のとおり、工場で生産され、現場に運ばれてきたときには外壁として一体化されていますので、外からは確認できません。ハウスメーカーの場合、耐力壁の位置図などの構造関連図面がありますので、図面と比較しながら室内側から押して耐力壁パネル内のブレースの有無を確認しましょう。
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